かわき茶亭の掲示板

かわき茶亭 » 掲示板 » ファイアーエムブレム 雑談掲示板 » 蒼炎・暁の短編小説?138
ページ : 先頭 ◄◄ ひとつ前1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14ひとつ次 ►► 末尾

感想と返信とゲームキャラのみ短編
投稿者
投稿日時 2012/03/26(Mon) 22:50:35

感想と返信と、それだけだと短いのでついでにゲームキャラのみのSSも一緒に書き込みです〜。

つみれ草様
・下にいる存在だった、トリンの子供時代。でも成長して、自分よりも下の存在になる奴隷を見つけた。
けれどその奴隷は、下の身分で居続けることを拒否して、その屋敷を出て行った……。
自分の現状に耐え続けて、反抗しようとしなかったトリンには、それは許し難い裏切り行為だったんですね。
地下の鍛錬室で出会った新入りは、もしかしてあのキャラでしょうか……。

・画像投稿お疲れ様です。さっそく掲示板に行って見てきました〜。ネリアカッコいいですね!
・サナキ=サナギですね……。
サナギウスと、サナキ様に命名されかけてる剣士さんが、しょんぼりした顔で膝を抱えてます。
斧使い「相棒。元気出せって!愛情がこもった名前じゃねえか」
剣士「うん…確かにそうなのだが……そうなんだけどぉおお!!」
いくら愛情がこもってても、サナギはさすがにイヤだよねえ。
・青に紫に赤にピンク。色とりどりの髪の毛の天馬騎士たちの中心にいるのは、銀色の髪の吟遊詩人!!
ランスロット「ふふふふふ。僕のハートをゲットしたいのなら、僕より綺麗にならなきゃね♪」
駄目だ……女の子より主人公の方が美人で、ヒロイン達がやる気を出してくれそうにありませんorzlll


風姫様
・ハールさんの過去。凄惨ですね……。
母親は自分の身を守るために、父を殺したというのに、それが結局母を更に追い詰めることになってしまったとは……。
大人でも、母のこの行動を理解することは難しいです。それがまだ未熟な頃のハールさんとなると、
まったく理解出来なくてもおかしくありません。
暗い過去ばかりのハールさんだったかもしれませんが、その中でもシハラムさんやジルと出会えたんですから。
これからの人生は、明るいものに変えていって下さい。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ここから先はSSです。蒼炎時代のルキノさんとワユの話。

『女の証』(ルキノ&ワユ:蒼炎時代シリアス&ほのぼの)

「ルキノさんって、どうして髪を伸ばしてるの?」

クリミア王国最後の希望、王女エリンシアとの再会を果たしたルキノは、弟のジョフレが待つデルプレー城に道中で、クリミア軍の女剣士ワユに、そんなことを訊かれた。
「どうしてって……特に深い理由なんかないわ。単にこの髪型が好きだから、伸ばしているだけよ。
そういう貴女の方は、どうして髪を短くしているの?貴女には短い髪より、長い髪の方が似合うと思うのだけど」
と、ルキノはワユに対して思ったままのことを言った。
現在ワユは、髪を肩口で切り揃えている。
その髪型は、活発な性格のワユに似合いの髪型なのだが、ルキノはワユのこの髪を伸ばしたら、活発さの中に女らしさが増して、ワユがもっと魅力的に見えるのではないかと考えていた。
しかしワユは、ルキノの言葉に不満気な表情で返事をした。
「それはイヤ。あたしは髪を伸ばしたりなんかしない」
「どうして?長い髪も悪くないわよ」
そう言いながら、ルキノは両手の指に髪を絡め、さらりとして滑らかな髪をワユに見せてみた。
ルキノは自分の髪の毛が好きだった。
幼い頃から、母に手入れをしてもらって伸ばした空色の髪には、父や母や弟。そしてエリンシアとの思い出が詰まっている。
髪はただの装飾品ではなく、自分の人生そのもの。ルキノはそう思っていた。
短髪も良いと思う。ベグニオンの天馬騎士タニスやマーシャのように、長髪よりも短髪が似合う女性もいる。
だがワユは、彼女らのように短髪の方が自分に似合うから長髪にするのを拒んでいるのではなく、何か別の理由で拒んでいるように、ルキノには見えた。
「何かあるの?長い髪がキライになった理由」
ワユを萎縮させぬよう、優しい声色でルキノがそう訊ねると、ワユはブスッとした顔のまま、ルキノにその理由を話していく。

「髪が長いと、女らしく見えるから。
あたしは女だからって手加減されたり、甘く見られたくない。剣士としてのあたしを、ちゃんと見てほしい。
だから髪を伸ばさないんだ。長い髪は、女の証みたいなものだから」

(なるほど。そういう理由ね……)
ワユの言葉を聞いて、ルキノはなるほどと納得した。
まだまだ短い付き合いのルキノとワユだが、二人は剣の道を歩む者同士。言葉を交わさなくても通じ合うもの、感じ合うものがある。
交わした言葉が少なくても、ルキノはワユがどのような剣士なのか、心で感じ取っていた。
ワユは戦場でも日常でも、自分を女として見てもらう以前に、一人の剣士として見てほしいと思うタイプなのだ。
だから女の象徴であるような、長い髪を嫌っている。
髪は女の命という言葉があるように、長い髪は女の証なのだから。
「ルキノさんは嫌じゃないの?自分が女に見られても。女だからって剣士には向いてないとか、女に剣士は無理だとか言われて、悔しくないの?」
今度はワユが、そんなことを訊いてくる。
「そうね……別に私は、嫌ではないわ」
女である以前に剣士でありたいと思うワユの気持ちは、ルキノにも理解できる。ワユのような悔しさを感じた時期もあった。
しかし今のルキノは、ワユのように考えてはいなかった。

「だって私は、剣士であると同時に女ですもの。
女であることを忘れて剣士になるなんて、私には出来そうにないわ。
剣はいつでも捨てることが出来る。でも女に生まれた以上、私は女を捨てることはできない。
それに気が付いたとき、私はこう思ったの。
それなら女のまま、剣の道を歩んでいこうって。
剣士として強くなる前に女として強くならなきゃ、本当の強さは得られないわ。
貴女はそう思わない?」
「女として強く……」

ルキノの言葉を聞いたワユは、ウーンと悩むような仕草を見せる。
ワユはこれまで、剣の頂を目指して生きてきた。自分が女であることは、そこに辿り着くまでの障害でしかないと考えていた。
女を言い訳にして自分から逃げたくないのは当然のことだが、それと同時に、男から女を言い訳にされて、自分から逃げてほしくなかった。
自分がどれだけ強くなっても、自分が女である限り、男は自分を正当に評価してくれない。
女であることを、やめてしまいたい。
そんなことも思うようになっていたワユに、ルキノの言葉は新鮮な衝撃を与えていた。
「そうだよね……女に生まれた以上、女は捨てられない。女とは、一生付き合っていかなきゃいけない。
一生の付き合いの相手を無視するなんて、絶対に出来ないことなんだよね。
よし、決めた!ルキノさん。あたし、剣士としても女としても強くなる!!」
そう言うと同時に、不機嫌だったワユ顔が一瞬で明るいものに変わった。
「そうよ。女に生まれたのなら、女としても強くならなきゃ」
ワユの笑顔を見たルキノの顔も、和らげなものへ変わっていた。
持って生まれたものを拒んだままで生きていけれるほど、人は器用ではない。
もしもあのまま、ワユが女としての自分を拒もうとしていたら、いつかワユは女以外の何者にもなれない自分に失望し、剣を捨てることになっていただろう。
(何かを捨てて得る強さは本当の強さはではないのよ、ワユ。
これからも、それを絶対に忘れないで)
そう思うルキノを安心させるかのように、ワユは言う。

「この戦いが終わったら、あたしも髪を伸ばしてみるよ。
これまでは、髪なんか絶対に伸ばしてやるもんかって思ってたけど、本当は憧れてたんだ。
ルキノさんみたいな、長くて綺麗な髪!」

ワユの言葉を訊いて、ルキノは照れ臭そうに小さく微笑んだ。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
蒼炎時代は髪が短かったワユ。それはやっぱり、女としての自分より剣士としての自分を見てほしかったからかなと……。
暁では、二人の髪の長さが逆転するのも面白いところだと思います。
ルキノさんは自分で望んで、髪を切ったのではないですが……。

蒼炎・暁の短編小説?スレ138
投稿者
投稿日時 2012/03/30(Fri) 23:03:20

明日から旅行に旅立つので書いておきます

「少女よ、剣を捧げよ」
!注意!
戦闘・残酷描写有りです!
苦手なかたは飛ばしてください

~オリキャラ紹介~
アルナ
クラスは戦者。12歳の若さでテリウス連合軍総司令官に任命される。

ガレ
クラスは少年剣士。12歳。気弱だが他人を気遣う優しさを持っている。

ミエル
クラスは杖少女。10歳。勝ち気な性格。

イェーフネン
クラスは剣聖。アルナの叔父にあたる。

~あらすじ~
テリウス連合軍の初陣。武器も兵士も足りない中、勇者の娘として、アルナは戦場に立つことを決意する。アルナの絶体絶命の危機に駆けつけたのは、母の故郷である、砂漠の民であった。

予期せぬ援軍の助けを得て、アルナたちは勝利を得た。
アルナは叔父と名乗るイェーフネンと黒い剣を持った男と共に国王たちに会っていた。
エ「…何者ですか。」
グ「我らは砂漠の民です。私はその一集落の長グレイ。このアルナの伯父に当たる者です。」
サ「して、そなたたちはどうやってここにきたのじゃ。」
「私ですよ。サナキ様。」
黒髪の男が入ってきた。
サ「セフェラン!」
グ「アルナのことを聞いたのも、エルラン殿からなのです。」
イ「僕たちはできることならお助けしたいと思っています。」
ミカ「…どうしますか、アルナ。あなたの意見を聞かせてください。」
ア「兵士の数は減っています。それに彼らの実力は本物です。受けるべきだと思います。」
サ「では、グレイ殿、よろしくたのもう。」
グ「承知しました。」

その後、アルナはグレイと砦の一部屋にいた。
ア「グレイさんは私の母の兄…ということですか?」
グ「そうなる。」
グレイがこくりと頷く。
ア「母について…教えてください…。」
母については父からも聞いていた。
だが、父より長い時を過ごしたグレイならもっと知っているだろう。
グ「エリカは…茶髪と茶色の瞳を持っていた。私より素晴らしい剣術を持ち、そして何より、強く、清らかな心の持ち主だった。輝く剣を持ち、戦う姿は湖を舞う精霊のようだった。」
グレイの目は何か遠いものを見ているようだった。
それを見たアルナは胸が張り裂けんばかりに思った。
―――母に会いたい…

翌日、また敵軍が攻めてきて、戦いとなった。
今回は、アルナが最初から前線に出て、戦っている。

砂漠の民も混じえ、戦いは連合軍側が有利となっていた。
アルナは目の前にいた敵を突いた。
「ぎゃぁぁぁ!!」
アルナの動きが止まった。
殺したくない、という思いにかられる。
だが、震える手を無理矢理動かし、剣を振り上げる。
「た…頼む…。」
アルナの動きが再び止まる。
大きく開かれた瞳は目の前の敵を見ていた。
そこに別の敵が来て、アルナを倒そうとした。
セ「レクスカリバー!!」
セネリオが倒したおかげでアルナは無傷だった。
だが、その目はすでに息のない敵を見つめていた。
セ「アルナ?」
セネリオが声をかけるも、アルナは反応しない。
セネリオは辺りを見回し、近くにオスカーを見つけた。
セ「オスカー!」
オスカーはすぐに駆けつけてくれた。
オ「どうしたんだい?」
セ「アルナを連れて、一度砦へ帰ってください。この状態では戦えません。」
オスカーはアルナを馬に乗せた。
セ「…頼みましたよ。」
オスカーは頷くと砦に向かって馬を走らせていった。
セネリオはすぐに戦いに戻った。

新しいキャラの紹介です。


グレイ
クラス 剣聖
武器 剣SS
固定武器 ハロラード(剣)
スキル 俊足、エリート
奥義スキル 流星
砂漠の一集落の長。アルナの母の兄で、アルナの伯父に当たる。

ハロラード
砂漠の民に伝わる剣。刀身から柄まで黒。魔防が+5される。


今気がついたのですが、オリキャラの説明が、雑でしたね…。また、詳しく紹介させてくださいm(__)m

ところで、今はオリキャラやスレの決まり等についてはどうなっているのでしょうか?
過去スレを見て勉強しているのですが、途中なので、まだ、わかっていません。
できれば、どなたか教えていただければ幸いです。

オリキャラ有り長編
投稿者
投稿日時 2012/03/31(Sat) 15:47:44

急ぎの返信
リリカル様
どんどん書き方が紛らわしくなってしまってますが名前を書いてないのは高確率でモブとなってますw
と言う訳で今回改めて出す彼とは別人です。

風姫様
私もあまり自信ないのですが、ちょっと前に解釈してるのをれっつに纏めてます。
(ここの1ページ目後半)


本編。彼らが簡単に見つかりすぎてるような気もしますが結構経緯をはしょった結果だとかそうじゃないとか。

異端の宝石たち ジャンル:オリキャラ有り長編
~第一部 闇と風の射(13)~
※短いですが戦闘シーンが有ります。

オリキャラ紹介?
アクア:元プラハの下で隊を率いていた闇の賢者。シフ沼には行けない為今回登場せず。
ヘリオド:アニムスの使用人ながら何故かデイン解放軍に志願した風の賢者。放し飼いしている精霊ポニーちゃんが話し相手。
リョクラン:駐屯軍でデイン民殺しもしてきた怠惰な弓騎士。ジェルドに制裁を受け瀕死の所を一般神官に救われたが……。


「……罠仕掛けるって、遂にそこまで来たんだね」
 怠惰な騎士はこの解放軍の快進撃の期間を“なんとなく”過ごしてきた。
『あんなの大したことない』
 傷が癒えると愛馬夜桜と共に駐屯軍へと戻り、いけしゃあしゃあとそう答えた。
 リョクランを見て少し考えたような表情をしていたジェルドも笑いだして
『良いさ、質問に答えてやる。事実だ』
 ベグニオンの地方貴族。そこから槍を振るう力を着けた。
 権力者が圧倒的有利なベグニオンにおいて、実力を見せつける機会を目ざとく見つけヌミダ公爵軍の将軍にまでのし上がった。
『何でそこまで? 運が良かったとは言え権力者と同等になれるなんて限らないのに』
『決まっている。やりたいように生きる場所を掴み取る為さ』
 その駐屯軍も、あからさまな焦りを見せている。
 民からない財力を吸い上げて武器なども強化したが、悉く破られていた。

「解放軍……無謀無謀っつってたのがまさかここまで来るなんてさ……」
 駐屯軍内では本国から視察団が来るーそんな噂で持ちきりだった。
 ジェルドに聞いた強者もいたが『まずは解放軍を潰すこと』らしい。
 解放軍が勝利を掴めば統治を偽った駐屯軍はたたでは済まないだろう。
 リョクランもまた、以前のように生死の境に立たされる可能性だってある。
「……変な感じ。なぁ、夜桜……」
 隊が変わったリョクランには民への制裁の話は入って来なくなった代わりに、残った収容所の見張りをさせられていた。
 他の収容所が一つ、また一つ潰されていく度に妙な気持ちが沸いていた。
 “もしかしたら、解放軍はやり遂げてしまうんじゃないか”
「そんな訳ないのに。デインの奴らなんかにやり遂げられたら……ずっと諦めてたオレが馬鹿みたいじゃん」


 解放軍陣営。
 軍の者誰もがミカヤたちに同胞を救うことと、無事に帰って来てくれることを望んでいた。神に祈るような体制のものが神官兵以外にもちらちらといる。
「……女王」
「ああ、分かっている。片時も私の傍を離れるな」
 次の瞬間、ある天幕にいた二人は身構える。覚えのない気配と足音を前に。
「へぇ……あんたがラフィエルか。随分と天幕が多くなったんで、苦労しちまった」
 ヘリオドは天幕から腕を組みながら、小さな笑いを浮かべながら入って行く。
 作戦会議用、行商用など他のものにより死角になっていた天幕に。
 二人いる中で、布の隅から真っ白な羽が見えているラフィエルの方を最初に見る。
「そっちも心配しなくて良いさ。敵意はない」
 女王、と呼ばれた獣の耳を持つ女性がラフィエルを庇うように前に立っていた。
 それを見て魔道書を二冊床に落としたが、女王の構えが緩むことはない。

「おお、怖い怖い。でも鷺にはそれほどの護衛があったぐらいが丁度良いからねぇ」
 舐めているかのような態度の男を前に女王は睨む。
「鳥翼って言うのは翼を刻む風に弱いとは聞くが、鷺ってのは触っただけで壊れちまいそうだ」
「何のつもりだ?」
 男に助け舟を出したのは庇われていた金髪の男性だった。
「……女王。危害を加えるつもりはない、と言うのは事実のようです……」
「ラフィエル……分かった。では、何の為に来た?」
 女王も布により片目を隠しているが、もう片方の瞳で真剣に見つめる。

「まぁ、一目見てみたいっつーもんもあったが。やけに薬草とか出してるみたいだし。あんたらも、シフ沼に行くのかい?」
 嘘をつく理由もない、と女王もラフィエルも頷いた。
「止めておいた方が良いんじゃないかい?」
「……なぜそのようなことを? ……あ……」
 ラフィエルの反応を見て賢者ははぁ、と頭を軽く掻く。
「鷺の民には読まれちまうもんか。なら話は早い、あんたが生きてたんなら無事でいて欲しいって思うであろう人がいるってことさ。それに戦う術のないあんただって戦場は恐いだろう?」
 首にかけたネックレスの、宝石ヘリオドールの部分を右手で支えながら尋ねた。
「……いいえ、今の私は女王の傍に……そして、同胞を救おうとするミカヤの力になれるのなら……私は恐れません」
「へぇ。鷺の民が、ねぇ……立派なことだ」
 ラフィエルの声は今にも消えてしまいそうなものに思えて、中央に芯があった。
 しかしそれにより疲れが出たのか、ラフィエルは重く息を吐く。
「……すまないが、これ以上ラフィエルには」
「ああ、見れて良かったし退散するさ。どうやらいらない心配だったようた」
 意外とあっさり引き下がるヘリオドを見て女王も少し疑問に思う。
「私が守るつもりだが、もう良いのか? ラフィエルにとって危険と言うのは間違ってはいない」
「本人が完全にその気なら止めやしないさ。ベオクだろうがラグズだろうが。一度しかない人生、後悔しないように楽しく生きようぜ?」
 二冊の魔道書を拾い上げてはっはっと小さく低い声で笑いながら天幕を出て行った。

「ラフィエル」
「ええ。女王、私は平気です」
 そう言いながらも顔を伏せてラフィエルは狼女王ニケに話す。
「しかし……あの男性の心には確かに映っていました。あの方が」
「……そうか。まだ時間はある。その間に休むと良い」
「はい。消え行こうとする同胞を救う……かつての私に出来なかったことを、手助けでも出来るなら……」
 ニケはそっと頷く。それは二つの返事を意味していた。
 一つは呪歌にはそれだけの力がある。そしてもう一つは私が守る、と。


 シフ沼には多数の駐屯軍兵士が構えていた。叫ぶ捕虜たちと共に。
「やっ、止めてくれぇぇっ!!」
 叫びも虚しく、手に重りを着けられた捕虜が沼に沈められていく。
 人質にもなりうる捕虜たちを捨てて釣ろうとした餌は。
「止めて!」
 まんまとかかってくれた。乙女が駐屯軍の一人の兵士へ光魔法を唱える。
 サザが短剣を持ちその兵士の喉めがけ、彼が絶命してから沼の空気が変わった。
 指揮をしていた雷の賢者はようやく来たか、と言う目で。
 沼から何とか空気を得ようとする者、これから沈められようとしていた者は救いの神が現れたと言う目で。
 ミカヤとサザに続き剣士や弓兵が追って周りの駐屯軍を蹴散らす。
 更に別方向から潜んでいたと思われる炎使い、虎と鴉が捕虜への攻撃を阻む。


「……軍じゃないからって何とか押し切って見に来ちまったが」
 魔道書を抱えながらヘリオドはまた別方向の援軍を見た。
 半獣だ、と騒ぎながらも狼らしき姿のラグズに次々と倒れていく駐屯軍兵士。
 背後からラフィエルを狙うことも出来ない、狼女王はその気配に感づくと彼を飛び越して襲撃者に牙を食い込ませる。
 その間にもう一体の狼が正面の敵を片付けて行き
 ーラフィエルが謡う。

「……よくは聞こえないが、あれが味方に活力を与える呪歌、ね……」
 背後の重々しい翼の音を聞きながらふと声に出す。
「解放軍め、消えろっ!! お前たちさえいなければっ!!」
 重々しい翼、駐屯軍の竜騎士が斧を振りかざしながら向かって来ていた。
 ふー、と小さく息を吐いてから一、二、三歩。
 魔道士として決して動きやすいとは言い難い服装だが、その動きで斧は丁度横の何もない空気を切ることとなった。
「なっ……」
「同国人やるのは気が引けるんだが……まぁ、これも仕事だからねぇ、一応」
 魔道書を開いて聞き取れない詠唱をしたかと思うと、風が舞い上がる。
 騎士の周囲を緩く舞っていたかと思われる風はすぐにでも鋭い刃となって、剣にも負けない切れ味を叩き込んだ。
 それにより虫の息になりながらも、斧を握り、自棄になり奇声を上げながら再び頭を狙う。
 ……が、かち割ることは叶わず、斧と騎士は沼へと落ちた。二度目の刃を受けて。
「駐屯軍の最後が見えてきた気もするな。ポニーちゃんはどう思う?」
 手の上でポニーつちゃんが舞い上がる。
「あの鷺が生きてて戦場に立つなんて予想外さ。何もかも予定通りには行かないかもねぇ……あの人らも」

 シフ沼はラグズの救いもあり、駐屯軍は指揮者を始め全滅した。
 ミカヤの指揮で沈められようとした捕虜を全て確認した。
 神官ローラと共に、一人残らず捕虜の体調も確認し応急処置も施している。
 反ラグズ思想の強いデイン人だが、ラグズを率いていたことなど些細な問題だった。
「勝手な行動に出て、ペレアス様は許してくれるかしら……」
 捕虜の無事な姿を見たらきっと喜んでくれるとサザが答えた。
 帰還したミカヤは【銀の髪の乙女】から【暁の巫女】、祖国にとっての希望とデイン人を更に沸き立たたせることとなる。

オリキャラ有り長編
投稿者
投稿日時 2012/04/03(Tue) 16:09:23
修正日時 2012/04/04(Wed) 01:10:21

予定では第一部終了まで残り七話。後七話で三人に一区切りをつけないと……。
今回もヘリオドをメインにしようと思ったもののいつの間にかアクアになってました。
と言うか一部において一番使ってる単語は多分『天幕』だ。


異端の宝石たち ジャンル:オリキャラ有り長編
~第一部 闇と風の射(14)~


「しかしデインの熱狂っぷりは凄かったねぇ、ポニーちゃん」
 手の平の上で反応が悪い精霊に話しかけながら、ある天幕に入る。
「イズカさん? 罠に飛び込むことで解放軍からは歓声が鳴り止まないみたいで」
「またか。何をしに来た?」
「いや、“天才の”参謀さんは熱中し過ぎると周りが見えないって聞いてるもんだからさ。やっぱり“天才”故かい?」
「ふん……」
 二回出てきた天才、の単語に悪い気がしなかったのかイズカは言い返さなかった。
 少しの間、沈黙が続い後にイズカは「完成した!」と言い天を仰ぐような姿勢になる。
「ところで今は何を?」
「デイン解放軍に強大な力を与えてくれた者に感謝の証をな」
「ふぅん。科学者さんが直々にか。んで、その強大な相手ってのは?」
「ラグズだ。デインにはくだらぬ思想で彼らの価値が分からぬ者も多いようだがな。
 これで更なる戦力増強を望める……そして……」
 また彼の独特の喋り口調でブツブツと言い出したかと思うと、そのまま完成したものを持ち天幕を出て行ってしまった。
「へぇ……」
 腰の曲がった後ろ姿を見て、ヘリオドはそれだけをポツリと言う。


 ミカヤたちが捕虜と共に帰還し、デイン解放群陣営も沸き立った。
 俺たちは間違ってなかった、希望を信じて良かった……そんな声が聞こえて来る。
 アクアも報告を聞いた時は胸を撫で下ろした。
「あら」
 ふと天幕の近くに落ちている巾着に気づき拾い上げた。
 巾着の中身は紅い草のようなもので、闇魔法以外には疎いアクアにこの草の正体は分からなかった。
 落とし物だろうと思いつつ、宛のなかったアクアは見覚えのある姿の方へ向かう。
「ミカヤさん、サザさん。ご無事で何よりです」
「あ……アクアさん。ええ、ありがとうございます」
 ミカヤの礼を聞いてアクアは安堵する。
「まさか本当に捕虜を助け出すなんて……」
 プラハの一件から少しの間塞ぎ込んでいたが、かつての部下もいる今では軍の者と話す機会を増やそうとしていた。
 勿論、少しずつなので軍の中心であるミカヤや傍にいるサザに話しかけるのは未だ少し緊張する。

「あの、向こうに落ちていたんですけどこれに見覚えはありませんか?」
「ああ。これはオリウイ草だ。ラグズの気力を高める効果がある」
 サザが草の中身を見て解説する。本人曰く、三年前の戦乱時に知ったらしい。
「ではオルグさんか、ラグズ奴隷解放軍のお二人のどちらかですね」
「あ、でもオルグさんは気力を調整する半化身という状態でいるから……」
「オリウイ草はいらない、となると後二人の内のどっちかだな」
 ムワリムとビーゼの姿を思い浮かべて少し胸が痛んだ。
 ルコト収容所の件から、ミカヤやサザ以上に話しづらい相手だった。
「……今度は私が届けることで、またお話出来るでしょうか……」
 期待と不安の半分を抱き、拾い物であるオリウイ草の巾着を手の中に収める。
 どこの天幕に、と思った直後に紅い少年が走って来た。
「ミカヤ! サザ……っ!!」
「トパックさん?」
 息を荒げている。相当焦っているのは明らか。
「ムワリムの、ムワリムの様子がおかしいんだ!」
 それを聞いた三人はすぐさまトパックの案内されるままに天幕へ向かった。

「ムワリムっ! しっかりしろ!!」
「ムワリムさん……頑張って、意識を保って……」
 トパックは精一杯声をかけ、ビーゼは胸の位置で手を組んで祈るように言う。
「あっ、な……何を……?」
 ムワリムの姿に少しばかり恐怖を感じた。今にも襲って来そうな姿に。
 虎になっては戻り虎になり、毛を逆立てて目をギラギラとさせる。
「ぐ……坊、ちゃ……グルルル……」
 唸る中に、微かにトパックに応えようとする姿もちらつかせる。
「トパック……これは」
「ああ。三年前の、あいつらと同じ……だから怖いんだ……」
 サザとトパックは心当たりがあるような口調で話しかける。
 その間にもムワリムの化身の感覚が短くなり、トパックは更に叫ぶ。
「駄目だ! 『なりそこない』になんか……なっちゃ駄目だ!」
「なりそこない……?」
 どこかで聞いたことのある単語だったが思い出せない。
 しかしムワリムがそうなりつつあることだけは分かった。それが良くないことも。
 ルコト収容所で自分に語りかけてくれたムワリムを思い出す。
「ど、どうしたら……私、宛がないか探してみます!!」
 気づけばアクアは駆け出していた。


(なりそこない……? なりそこないにならないには、何が!!)
 アクアは走り出していた。しかし悲しい程に宛はなかった。
 反ラグズ思想の強いデインの解放軍の者で話すとして誰がいる?
 片っ端から聞けば当たりを引くかもしれないが、ラグズのことで騒ぎを大きくして良いのか。しかし何もしないと不味いのは分かっている。
(どうしたら……! 本当に、どうしたら!)
 収容所の時のムワリムと、今のムワリムが交互に頭に現れる。
「何か、あったのですか?」
「あ……っ! ラフィエル様、ニケ様……」
 テュリン行きの者だけが知らされていた狼女王と白鷺王子が立っていた。
 それ以降会う機会はなかったが、狼女王も白鷺王子も目を奪われる程の美しさ。
 だが今はそんなことを言っている場合ではない。
「あの、ラフィエル様! その……私、どうしたら……!!」
「落ち着いて下さい……そんなことが……分かりました。直ぐに行きましょう」
「あ、え……?」
「鷺の民は相手の心を読む力がある」
 ニケの解説を聞いて、今の状況が理解されたと見たアクアは天幕へと向かった。


 入り口の時点でムワリムの唸り声とトパックの叫び声が聞こえていた。
「ここからでも感じるな、負の気が」
「……今、歪められた身体を戻しましょう」
 ーラフィエルの唄が天幕内に響き渡った。
 古代語らしく、魔道書を読む程度だったアクアには歌われる中で内容を理解することは出来なかった。
 しかしその唄を絶対に遮れないと言う気持ちが沸く。気づけば聞き入っていた。
 身体も動かせず、声も出ない。先ほどと似ているが恐怖ではなく、感動で。
 終わるとはっと我に返り、ムワリムが倒れていた。
「歪められた身体は【再生】の呪歌により元に戻りました。もう大丈夫……」
「っ……あり、がとっ……」
 トパックは目に涙を浮かべたまま、ラフィエルに礼を言った。
 ビーゼも感謝の意を込めてなのか小さくお辞儀をする。
「……あなた」
「あっ」
 ムワリムを見て一息ついたビーゼがアクアの方に向かって歩いていた。
 未だオリウイ草を片手に持っていたことに今気づいたアクアは慌てて差し出す。
「ビーゼ、さん……そのどちらかの落とし物だと思って届けようと思っていたので……その」
「……ありがとう」
「えっ?」
「オリウイ草も、あと……ムワリムさん、助けようとしてくれたことも」
 一歩間違えれば聞き取れなかったであろう小さな声を出し、オリウイ草を受け取る。
「……ビーゼ、さん……」
 ムワリムが助かり、ようやくまともに息が出来るようになったアクアは再び胸を撫で下ろした。

「あの、ラフィエル様。私からもありがとうございました」
「いいえ」
「あの、ところで何故あんな所に? テュリンでの人たち以外の元にはあまり見つからない方が良いと……」
「いや、ある男が訪ねて来てな。ラグズの仲間とたまには話をしたらどうだと」
「すぐに帰られたので何のことかは分かりませんでしたが……胸騒ぎがしたので女王に頼んだのです」
 結果として良かった、ラフィエルは言う。
「そう……なんですか?」
 その後、ミカヤたちはムワリムとビーゼに飲み薬を与えたというイズカを問い詰めた。
 ビーゼは半信半疑で飲むのを躊躇ったことでそうなったと。
 『なりそこない』は薬物投与されたラグズの成れの果てで、化身状態が続き強い力を得るが寿命が縮み自我が破壊される。
 問いつめても尚、イズカは詫びる気などないようだった。
『戦いに自我など不要! 邪魔になるだけではないか』
 ペレアスの仲介でイズカには二度と薬を与えさせないから許してくれ、と言う話になった。
 イズカとは話をつけられないとトパックは席を外し、アクアも何も言えなかった。


「隊長、火をつけてます! デインの奴らが、暴動を!!」
「何だと!?」
 各地に残った駐屯軍も焦りを見せていた。
「我らには【暁の巫女】様がいる!!」
「デインには希望がある! 駐屯軍、出ていけっ!!」
 収容所の内からも、収容所送りを免れたいが為に大人しくしていた者たちからも暴動が起きていた。
「まさか……解放軍の奴らがここまで来るとはね……」
 リョクランは思う。どこから間違えたのかと。
「……どこからそんな力が沸いて来るんだか! ……オレだって、んな力があれば……。
 デインなんか、デインなんか!!」
 流石に駐屯軍でも暴動は治めきれなかった。
 数日後、各地の残った駐屯軍はジェルドの命を受け王都へ集結することとなった。

Re: 蒼炎・暁の短編小説?138
投稿者
投稿日時 2012/04/18(Wed) 09:28:04

高校に行き始めて約一週間。
荷物が…重い!!

「少女よ、剣を捧げよ」
!注意!
残酷描写があるかもしれません。
苦手なかたは飛ばしてください。

~あらすじ~
アルナの伯父たち砂漠の民らにより、連合軍は勝利した。しかし、そんな中、アルナに問題が…。

~オリキャラ紹介~
アルナ
クラスは戦者。12歳の若さでテリウス連合軍総司令官に任命される。

エリカ
クラスは戦将。アルナの母親の砂漠の戦士。アルナを産んだために亡くなる。

~戦を嫌う戦士~
アルナは部屋の中でため息をついた。
戦いは無事連合軍側の勝利で終わった。
だが、アルナは苦悩していた。
今日倒した敵の悲鳴が頭から離れない。その内、今まで倒してきた敵の怒号や悲鳴が聞こえるようになった。
ア「やめて…」
セ「アルナ」
はっと顔を上げると、セネリオが立っていた。
ア「セネリオ…今日は…ごめんなさい…」
セ「いえ…気にしないでください。」
そう言ってセネリオはアルナの顔を除きこんだ。
セ「あなたは本当にエリカに似ています。その目も、性格も…。」
ア「母さんに?」
セ「はい。」
そう言ってセネリオはアルナの隣に座った。
セ「エリカは砂漠で名を馳せる戦士。ある者からは恐れられ、ある者からは敬われていました。」
セネリオはゆっくりと語った。
セ「僕は一度、エリカに助けられたことがあります。ラグズの荒くれ者に襲われて、殺されるところでした。この時、エリカはなるべく敵を殺さず、追い払ったそうです。倒したほうが手っ取り早かったのに。疑問に思った僕はエリカにその事を尋ねました。するとエリカは、殺すのが怖い、と言いました。僕は怖いのなら、なぜ、戦士として生きるのか、と尋ねました。エリカはこう言ったんです。」
アルナはセネリオの話に耳を傾けた。
セ「守るものがあるから。そう言ったんです。怖くても、何かを守ろうとしたとき、人は戦士になれると。だから戦士として生きるのだと。」
セネリオは立ち上がり、アルナのほうを向いた。
セ「あなたにも…守るべきものがあるはずですよ。」
そう言ってセネリオは立ち去った。


エリカとはアルナの母親のことです。前作の「愛すべきもの」に登場しました。
設定では、セネリオすら心を開いた優しく、清らかな心の持ち主である砂漠の戦士となっております。
また、アルナはセネリオを変えた存在です。
暁をプレーしていると、あんまりセネリオが変わった様子がないので…
蒼炎持ってると会話が発生させることができるみたいなんですけどね(笑)

それともうひとつ。
遅くなりましたが、この度、私は無事に第一志望校に合格することができました!
「受験です」と報告(?)すると、いろんなかたが、応援してくださって、とても心強かったです!
本当にありがとうございましたm(__)m

蒼炎の軌跡発売7周年おめでとう!
投稿者
投稿日時 2012/04/20(Fri) 20:21:33

今日は蒼炎の軌跡の7周年記念日です〜!!
新作の覚醒には過去キャラがゲスト登場するので、これを機会にテリウスシリーズのファンも増えてくれるといいですね。
そんなわけで、7周年記念のSS投下。蒼炎の軌跡といったら、やっぱりこの二人。
アイク×エリンシアのほのぼの短編です。



『おかえり』(アイク×エリンシアほのぼの短編)

ベグニオン歴六四六年。まだ肌寒さが残る春の浅い日に、クリミア王女エリンシアはデイン王国からクリミアを取り戻した……。

「やっと……やっと帰ってきました……」

最後の戦場となった王宮の庭園から王の間に移ったエリンシアは、この一年間父ではない男が座っていた玉座を、涙が溜まった瞳で見つめていた。
隠された存在として、離宮で育てられたエリンシアが王の間に来た機会は、両手の指で数えられる程度しかない。
それでもエリンシアは、この場所にいた父と母の姿のことをよく覚えていた。
玉座に腰掛ける父の威厳に満ちた姿。その隣に立つ温和な母の微笑み。
離宮では見ることがない、国王夫婦としての父と母の姿。
その姿は子供の目から見ても胸を打つものがあり、エリンシアはこの二人を父と母に持てたことを女神に感謝した。
そんな両親の姿が在った王の間を、この一年間デインに奪われた。
やっとの思いで取り戻したクリミア国王の玉座に、エリンシアは恐る恐るといった様子で手を伸ばす。

「っ……!?」

しかし、あと少しで玉座に手が触れるといったところで、エリンシアの手は止まってしまった。
そのまま手を引きかけるエリンシアに、背後から声を掛けてきた者がいた。
「どうした?」
低く落ち着きを感じさせるが、まだ完全に大人になりきれていない、少年の声。
それはこの一年間、エリンシアの心を支え続けてきた傭兵の声だった。
「アイク様……」
「どうかしたのか、エリンシア姫。
その椅子をデインの手から取り戻す為に、今まで戦ってきたんだろう」
アイクは、玉座に触れようとしないエリンシアを不思議そうな表情で見つめている。
その蒼い瞳の前では、エリンシアはどんな不安も隠し通すことが出来ない。
エリンシアは微かに震えながら、アイクに玉座に触れられない理由を話していった。
「その……怖いんです」
「怖い?」
「はい。もしかしたら、今私が見ている光景は夢ではないかと思ったら、玉座に触れるのが怖くなってしまったのです。
デインを倒し、アシュナード王を倒し、クリミアを取り戻した……。
それが全て私が見ていた夢で、私が玉座に触れたらこの素晴らしい夢は終わってしまう。
私はこの一年、そんな夢を繰り返し見続けてきました……」

今日は祖国を奪還した、夢のような日。
これがもし本当に『夢』だったとしたら……。
それは子供の考えるような恐怖であったが、今日という日を待ち望み、一年間そんな夢ばかり見てきたエリンシアにとって、今日一日の戦いは現実よりも夢の世界の物語のように思えてしまうのだ。
「そういうことか」
エリンシアの不安を聞いたアイクは頭を一つかき、呆れたような溜め息をついた。
そしておもむろに、エリンシアの手首を握り締める。
「あ、アイク様!?」
アイクの突然の行動に驚きの声を上げるエリンシアだったが、アイクはその声を無視してエリンシアの手を無理矢理玉座の背に触れさせた。

「あ……」

エリンシアの手のひらに、少し冷たい玉座の感触が伝わってくる。
それは夢の世界では決して感じることの出来ない、現実の感触だ。
「消えてないだろ、エリンシア。
クリミアの玉座は……俺達が取り戻した玉座は、消えてないだろ」
炎のように熱いアイクの熱が、エリンシアの手の甲を熱くさせていく。
長く苦しい戦いに心を折れそうになった時、自分は何度この手の熱に救われたか。
この熱は、どんなに素晴らしい夢の世界でも見つけられなかったもの。
現実でしか……この世界でしか存在しない、たった一つの熱だ。
「はい、消えておりません。
玉座も、私も、アイク様も……」
アイクの熱を感じながら、エリンシアは玉座の背を強く握る。
今見ている世界が夢かもしれないという不安は、エリンシアの心から綺麗に消え去っていた。
「そうだ。玉座は消えないし、あんたも俺も消えたりなんかしない。
今日が夢だったなんて、絶対に言わせない。
もしも今日が本当に夢だったら、俺達が一緒に戦ったこの一年はどうなるんだ?それも夢になるのか?
そんなの俺は許さない。
この一年を夢だったなんて言わせないからな」
そう言ったアイクの表情は、普段とさほど変わらないように見えたが、その声には僅かな怒りを感じられた。
エリンシアには、アイクが何故怒っているのかよく分かった。
アイクは、この一年を夢にしたくないのだ。
長かった。苦しかった。悲しい出来事もあった……。
そんな一年だったが、夢として終わらせることが出来ない、大切な一年だった。
「はい……もう二度と、これが夢だなんて思いません。
アイク様達と過ごした一年を、夢にしたくありませんから」
その思いはエリンシアも同じだ。
アイク達と共に過ごした一年を、夢と思いたくない。
王都陥落から始まった一年は、まるで夢のような現実を過ごした一年だったのだから……。


「アイク様。一年間私の側にいてくださり、ありがとうございました。
アイク様がいて下さったお陰で、私は玉座以上に大切なものを手にすることができました」
エリンシアが手にしたもの。それは強き心。

「俺もあんたには感謝している。
あんたと出会えなけりゃ、俺は今の俺になれなかった」
アイクが手にしたもの。それは大いなる成長。

「おかえり、エリンシア」
「アイク様も、おかえりなさい」
二人で手にしたもの。それは愛する故郷。

アイクとエリンシアは、お互いに故郷への帰還を祝福した。
それは多くの悲劇と、かけがえのない喜びを得た一年の旅の終わりを告げる言葉だった。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
暁でフラグが折られてしまいましたが、蒼炎はアイクとエリンシアの成長物語だったと思ってます〜。

Re: 蒼炎・暁の短編小説?138
投稿者
投稿日時 2012/04/24(Tue) 23:47:47

あれ…アクセス出来る…
403アクセスエラーはいずこへ…

えっと…お久しぶりです。(誰?というツッコミは無しで)
最近というか1か月位403エラーに邪魔されて来られなかったです。
いつのまにか覚醒出てるし…ねたは来ないし…感想書けないし…
感想は今回も無しです……もっと時間が欲しいな…

そんなこんな(?)でまた爆弾投下します。

「ねぇ…知ってる?」 ジャンル:小ネタ的な何か

その1

「ねぇサザ、杖ポコでダメージ与えられる原理知ってる?」
「いや、知らないけど」
「じゃあ教えてあげる」
 そう言ってミカヤはポケットに手を入れると、自分の身長と同じくらいあるリライブの杖を取り出した。
 何でポケットから取り出せるのかは不明(本人曰く『ミカヤ☆まじっく』だそう)
「まず杖の先端球のとこに魔力溜めまーす」
「『まず』ができねぇよ!」
 確かに盗賊のサザに魔力求めるのはダメだろう。
「それから片足上げて…」
「上げて…?」
 ミカヤは斜め45度見上げて…
「パソコンめがけてフルスイング!」
 パソコンにクリティカルヒット!パソコンは粉々になりました。
 ミカヤは32の経験値を得た。
「壊すなよ!何台逝かせたら気が済むんだ!」
「いやぁ403エラーがウザくってつい……てへ☆」
 杖ポコの原理-不明

その2

 珍しく喧嘩する兄と妹。17章の拠点で。
「お兄ちゃんよりも、わたしの方が強いんだよ!」
「そんなわけないだろ」
「ほんとだもん!証明するから!」
 そう言うとダッシュで出て行った妹・ミスト。
 それに対し兄・アイクは余裕の表情。
 レンジャーがクレリックに負けないと確信しているからだ。

しばらくして…

「連れてきたから、いい?やるよ!?
 じゃ、まずセネリオわたしにウインドやって」
「承知しました」
 どこかの家政婦みたいな口調で魔道書を詠む。
「…ウインド!」
 風の刃がミストを襲……わない。
 ミストは衣服にすら傷がなく、笑顔で立っていた。
「じゃ次、お兄ちゃんに」
「…承知」
 今度はどこかの王の補佐みたいな口調で詠む。
「…(連続発動)ウインド!」
 ザシュッ
「ぐぁっ…!」
 アイクにかなりのダメージ!
「もぅ一丁喰らえ!」
「ちょっ今そういうの要らな…ぐほぁ!」
 結構無駄なとこで発動する『連続』キターーーッ!
 HPの3分の1は削られてしまったアイクに対し、無傷なミスト。
「どう…?分かった?」
 仁王立ちでアイクのことを見下すミスト。
「ミスト…いつのまに…そんなに強く…」
「拠点で頑張ったの。リセットばっかで大変だったんだから」
「拠点…だと……」

そりゃ戦闘と拠点じゃ後者のほうが強くなるよね

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
つ…疲れた…
書き始めたのが10時くらいだから相当時間費やしちゃったなぁ…
日本語確認していないのでおかしいところあるかもです。

さいごに…風姫さま、受験おつかれさまでした。

Re: 蒼炎・暁の短編小説?138
投稿者
投稿日時 2012/05/02(Wed) 05:49:28

もはや私にとっては恒例となったこの挨拶、「お久しぶりです」。
覚醒発売しましたねー。ですが資金と時間がなくて買えないしやる暇ないしなので、GBA作品のハードに挑んでます(時間あるじゃん)。
さて、正直今年になっても完結する目処が全く見えませんが…とりあえずできる時に投下ということで。



終焉の彼方 ――侵蝕編・8 前編――
ジャンル:オリキャラメインシリアス

あらすじ
謎の力が目覚めて暴走し、ロキオは自らに恐怖を覚えて塞ぎ込んでしまう。
しかしファルシの必死の荒療治により、その力の制御と立ち直ることに成功。
今の自分に何ができるのかを、考え始めていた。

オリキャラ紹介
ロキオ:『カリルの店』で働くベオクの青年。何か謎の力が目覚めたようだが…。



「……ふう」
 今日の分の仕事を終えたロキオは、自室で一息つく。
 仕事用のエプロンを畳んで箪笥にしまうと、飛び込むようにどっかりと寝台に倒れ込む。
 特に疲れているわけではないが、仕事を終えた直後はいつもこうしないと何故か落ち着かない。
 なお、彼の目が覚めたのは今日の昼下がりであり、
 今朝から付き添っていたメイビスから事の全てを聞いた後、彼女とカリルにしっかりとお灸を据えられた。
 今回の過ちがどれほど重大なことかを、ロキオは今真摯に受け止めている。
 だからこそ、今の自分には何ができるのか。
 仕事の合間はそのことばかり考えるようになっていた。
「つってもなあ……」
 今現在も、正体不明の獣牙族の襲撃の手がかりは何一つないまま。
 ルミナが行方不明になったこともそのことと関わりがありそうだが、
 ありそうなだけでそれを証明するだけの証拠はこれまた何一つない。
 手がかりもなければ証拠もないこの状況では、そう簡単には動くに動けないのだ。
 行動するにしても、どこから手を着ければよいのか見当もつかない。
 決意も新たに行動しようと決めただけに、今の状況がもどかしくて仕方なかった。
 そう思っていたとき、扉の叩かれる音が2度ほど。
 開けると、下の階にいるはずのカリルが目の前にいた。
「あんたにお客さんが来てんだけど、部屋に通せるかい?」
「客? それはいいですけど…誰なんですか?」
「会えばわかるさ」
 あくまで笑みを浮かべるカリルに、ロキオは何度か首を傾げる。
 メイビスやファルシ辺りなら、カリルはわざわざ「客」と言わないからだ。
 それ以前に、彼らが直接部屋まで上がって来ることも、この時間帯に来ることも少ない。
 となれば、今来ている客というのはもっと別の人物ということになる。
 誰だろうと考えながら、とりあえず失礼のないように最低限部屋を片付けることにした。
 やがて今度は扉越しに、カリルが確認のために声をかけたので、いいですよと返す。
「よっ、久しぶり」
「……ライさん!?」
 その正体に素直に驚いた。
 全身を包んでいるローブを頭だけ外したその人物は、ロキオにも覚えがある。
 快晴の空のような水色の髪、さらに頭からはそれと同じ色の猫のそれの耳。
 次いで、赤紫色の右目に青緑色の左目と、左右で異なる目の色が印象強い。
 完全にローブを脱ぐと、文字通り尻尾が顔を出した。
 彼――ライは、獣牙の国ガリア王国でも地位の高い猫の戦士。
 クリミア王国軍総大将を務めたアイクとも親交が深く、たびたびガリアからの使者として遣わされたので、
 王宮内だけでなく、市民の間でもそこそこ名が広まっている。
「実は昨日も来たんだけど…どうも色々あったらしいから、出直してきたぜ」
「そうだったのか? カリルさんからは何も聞いてないけど」
「言うの忘れてたから謝っといてくれってさ」
「ああ、そう……。とりあえず座ってくれ、狭いけど」
「じゃ、失礼するよ」
 部屋にあるのは、一人分の食事を置けるくらいの小さいテーブルに椅子が一つのみ。
 その椅子にライを座らせ、ロキオ自身は寝台に腰掛ける。
 机は間にくるようにとの要望だったので、自分とライの間にテーブルを持ってくる。
 直後にカリルが紅茶を持ってきたので、ライはお構いなくと軽い会釈をした。
 そのカリルも一式をテーブルに置くと、自身は部屋を出てしまった。
「にしても、よくここまで来れたよな」
「ん?」
「クリミア復興のために駆り出されていたガリアの連中は、全員国に戻されたんだろ?
 そんな中、よくここまで無事に来れたなって」
「いやー、さすがに鋭いね…あちっ」
 紅茶の一滴も零すことこそしなかったが、よほど熱かったのか思わず勢い良くカップを置いてしまう。
 猫舌というのは、人の姿になっても改善されないらしい。
 だから獣牙族は、基本的に熱すぎるほどの調理はしないということを聞いたことがあるが、どうやら本当のようだ。
 適量の砂糖を混ぜながら、ロキオはそう思った。
 それはともかく、獣牙族によるクリミア人襲撃の事件以来、
 クリミアは一時的にガリアからの派遣部隊を国に戻させ、使者も一切絶っていた。
 身元を隠していたとは言え、そんな中ライはここまで来た。
 となれば、よほど重大な用事なのだろう。なぜ自分に、なのかは不思議だったが。
「…例の事件についてなんだが、情報収集が仕事のロキオのことだ。
 ある程度の情報は知ってるんじゃないか?」
「まあ…そうだな」
「どうやって収集したのかも興味深いけど…それはさて置いて、だ。
 どこまで知ってんのか、教えてくれると嬉しいんだが」
 危ない…と気付かれないようにほっとする。
 もし王城に不法侵入していたことがばれたら、下手をすれば冗談抜きで打ち首だ。
 懐の広いライのこと、そうそう言い触らすこともないとは思うが。
 ロキオは情報源を口走らないように細心の注意を払いながら、自分が得た情報を事細かにライに説明する。
 発生した最初の事件、今現在どうなっているか、現時点での被害はどの程度か、など。
「…うんうん。オレたちの集めたヤツとぴったり一致するな」
「知ってたのか?」
「オレたちの耳が高い位置にあるのは、飾りだからじゃないんだぜ」
 耳、と聞いてロキオは真っ先に「順風耳」という言葉を思い出す。
 『鷹王の耳』という二つ名で呼ばれる者の特権であり、千里先の物音も聞き分けられるらしい。
 そんな能力を持つ者がいるラグズのこと、情報収集は一端の密偵より優れているのだろう。
 何しろ化身した後の行動範囲はかなり広く、その気になれば自然の中に溶け込むことも可能なのだ、
 ベオクよりも感覚能力に優れているのは想像に難くない。
 一般的に『力の民』と呼ばれるラグズだが、彼らの売りはベオクを凌駕する力だけではなさそうだ。
「で、だ。それだけの情報を持ってるお前に依頼したいことがある」
「依頼ね……」
 複雑な気分になったが、あながち間違ってはいない。
 今でこそ正式に所属してはいないが、かつては傭兵団の一員として戦ったもの。
 時たまに『ジェム団』の手伝いをすることもあるので、正しい表現だろう。
「お前の情報とオレたちの情報を基にして、今回の事件の真相を突き止めようと思う。
 そのためにロキオ、お前の力をオレたちに貸してくれ」
「んー、そう簡単に言われてもな……」
 敢えて困惑した態度を見せる。
 いくら知り合いの頼みとは言え、ここで二つ返事で請けるわけにもいかない。
 というか知り合いと言っても、1年前の戦いでも一言二言言葉を交わした程度のもの。
 それに依頼の内容がかなり大きいもののため、危険性を顧みないわけにもいかない。
 これらのことを考慮せず請けようものなら、その者は遠からず命を落とす。
「なんで俺に依頼したんだ?」
「本当だったらアイク辺りに依頼してるところだ。
 だが、あいつも今はクリミアの貴族だから、忙しすぎてそれどころじゃないだろう」
「確かに」
 まして、今現在も復興真っ只中の国の貴族だ。
 そちらで手一杯で、傭兵として動く余裕などとてもないだろう。
 彼の人柄を考えれば、そうだとしても無理して請けそうな気もするが。
 かと言って、彼の下の傭兵団員だけを借り受けるわけにもいかない。
 傭兵団をはじめとする部隊とは、団長や副長という正当な指揮官の下に動けるのであって、
 その指揮官が急に変わろうものなら、十分な実力など到底発揮できない。
「だからと言って、同盟破棄しかねない国の騎士団に依頼しても、速攻断られるだろうしな」
「そういうわけなんだ。それこそ即同盟破棄になりかねない。
 だから……こんな言い方はしたくないが、お前くらいしか頼める奴がいないんだ」
「…なるほどね」
 暫し、両者の間に沈黙が流れる。
 真剣に考えている(演技をしている)ロキオのせいなのだが。
 閉じているようで実は開いている目から、ライの顔色を伺う。
 どうやらこれ以上沈黙を守っても、いいことはなさそうだった。
 何より、最初から答えは決まっている。
「…いいだろう。俺がどこまで役に立てるかはわからないけど、その依頼請け負うよ」
「ありがたい! 恩に着るぜ」
「ただ、こっちも命懸けなんだ。それなりの報酬は頼むぞ」
「ああ、もちろんだ」
 交渉成立。
 その証と、かつての戦友として再び共に戦えることの喜びを示し、固く握手を交わす。
(もしかしたら、ルミナの行方もわかるかもしれない)
 この依頼を請け負うことを後押しした、本当の理由。
 ルミナが行方不明となったのは、クリミア=ガリア間の事件の直後のこと。
 全くの無関係であるとは到底思えなかった。
 つまり、この依頼をこなしつつ調査を進めていけば、彼女の行方も掴めるかもしれない。
 鳥翼族との関係がどうだとか、彼女が王族の血筋だからとかそんなことは関係ない。
 過ちは償い、責任は果たさなければならないもの。
 自分が傷つけてしまったのだ、なんとしても救わなければならない。

 ライに向けた笑顔の裏で、ロキオは今揺るがない決意を固めていた。

Re: 蒼炎・暁の短編小説?138
投稿者
投稿日時 2012/05/02(Wed) 05:55:44

終焉の彼方 ――侵蝕編・8 後編――



「…というわけなので、しばらく休みを貰いたいのですが」
 この後の集合場所のみを伝えて、ライは店を後にした。
 その後でロキオは、動きやすいようにカリルに休暇をとるために交渉を始めた。
「あたしもある程度話は聞いたってわかってんだろう?
 別にわざわざ断りを入れる必要もないと思うけど」
「まあ……筋は通しておこうと思って」
「いつ頃依頼が終わるかの目処はついてんのか?」
「まったくわかりません。すぐに戻って来れるかもしれないし、一月以上帰れないかもしれない」
 本意ではなかったが、実際その通りなのでそう答えるしかできない。
 ライとロキオの情報を縫合しても、黒幕が全く見えない上に、
 その黒幕が今どこで何をしているのかさえわからない状況。
 ここ最近は特に目立った動きは見せていないようだが、
 それが束の間の安心感を与える代わりに状況をより混迷させている。
 一応、長丁場になりそうとの予測と覚悟はしているのだが。
「よし、まあいいだろ。休みの期限はなしでいい」
「えっ……いいんですか?」
「そういうことならしょうがないだろう?
 前にも言ったけど、あんたらの一人や二人いなくてもこっちはなんとかやってけるんだから」
「それって俺たちが役立たずみたいじゃないですか……」
 悪気がないのはわかっているが、それでもこうやって悪態をつきたくなってしまう。
 悪い癖だな、ということもわかっているのだが。
 カリルはそんなことなど露知らずといったところだが、不意にロキオの鳩尾に人差し指を強く押し付ける。
「その代わり、ちゃんとルミナを連れ戻して帰っといで。
 依頼が終わったとしても、それまでは入れてやんないからね」
「!」
 カリルが提示した交換条件。
 それは暗に、男ならしっかりと役割を果たせと言っているのだろう。
 後ろに立っていたラルゴも、ばしばしと背中を叩いている。
 柄じゃない…などとは言える余裕も立場もなさそうだ。
「わかりました。絶対あいつを連れ戻して帰ります。
 その時はまた、ここで働かせてください」
「はいはい、わかってるって」
「ありがたく思えよ? こんなにいい場所なんてそうそうねえんだからよ」
「またまた…」
 自信家2人の言葉に、溜め息をつきながら苦笑を浮かべる。
 表面上の態度とは違い、本心はどれほど感謝を並べてもたりないだろう、などと思っているのだが。
 自分を受け入れてくれる居場所がある。
 そう確信したロキオの顔は、安心感に満ちて明るかった。



 その後、軽い夕食をとったロキオは部屋で支度を進めている。
 恐らく長期間の任務になるはずなので、鞄の中身は一杯一杯だ。
 最低限の着替え、入るだけの保存食、持っていて損はないであろう愛用の調理器具などなど。
 鞄への積み込みは終わり、あとは武器を服に仕込むだけ。
 短剣を手にすると、そこで脳裏に悪夢がよぎる。
 兄を傷付けたこと、必要以上に人を殺めたこと……。
 まだ完全に立ち直れたわけではないと、自分でもわかる。
 だからと言って、迷うつもりはない。
(今の俺に出来るのは、これくらいしかない)
 行動できるチャンスがあるなら、それを見逃す手はない。
 今、ロキオは自分の犯した過ちなどは関係なしに、
 自分にできることならすべて成し遂げたいという強い思いがあった。
 それを今一度噛み締め、手にしていた短剣を腰のベルトに挿す。
「…そろそろだな」
 ライが言った集合時間に集合場所へ到着するには、じきにここを出発しないと間に合わない。
 予想よりだいぶ重くなった鞄を背負うと、ロキオは部屋を後にした。



 「できるだけ誰にも気付かれないように、ジェム団拠点の会議室へ」
 ライの指示に従い、ロキオはできるだけ人気のない裏道を通る。
 ジェム団の拠点と聞いて、今の状況でラグズ、特にガリアの者を受け入れてくれる場所は、
 やはりあそこくらいしかないのだろうか、と思った。
 あの場所なら、事情を聴けば匿うくらいはしてくれるだろう。
 団員も全員ラグズに対する偏見は全くと言っていいほどなく、潜伏するにはもってこいだ。
「いつの間にこんなものまで取り付けたんだよ…」
 ロキオが誰に言うでもなく指摘したのは、外壁に取り付けられた梯子。
 これを上りきって窓から入ると、すぐ左手に目的地の会議室がある。
 この荷物の重さがあると上りにくいが、人が寝静まったこの時間に
 堂々と表から入るわけにもいかないので、我慢することにした。
(…あれ?)
 梯子を中ほどまで登ったところで、ロキオの脳裏に何か違和感が生じる。
 仕事が忙しくて最近は足を運べなかったが、ほんの少し前にこの場所を見たような。
(ああ……あの夢だ)
 自分が力を暴走させてしまった、その直前に見た夢。
 確かいつにも増して頭痛が酷くなって、カリルに半ば強制的に休むように言われた時のことだ。
 その時に見たこの建物。
 雨が降り注ぐ中、前に見えた一人の女性。
(あれは……何の暗示だったんだ?)
 暴走する暗示とも取れるが、どうもそれだけではないような気がする。
 これから先――たぶん任務の最中に、さらなる波乱が待ち受けているような。
 などと考えていると、いつの間にか梯子を登りきっていた。
 しかしロキオ自身はそれに気付かず、梯子を掴むはずだった手は宙を泳ぐ。
 そのまま前のめりになって、窓から倒れ込むように建物へ入ってしまった。
 倒れ込んだのは頭から。

 ゴンッ

「…痛って……」
 頭頂部が床に衝突し、鈍い痛みが走る。
 恐らく今の自分は、かなり情けない様になっているだろう。
 できれば想像したくない。その構図を振り切るようにロキオはさっさと起き上がる。
 それとほぼ同時に、左手の扉が開かれた。
「お、時間通りだな」
「…どうも」
「すぐそこで変な音がしたけど、なんかあったのか?」
「いや……別に」
 まだ鈍い痛みが治まらないが、それをできる限り隠すように普段通りに振舞う。
 バレたところでそこまで問題にはならないが、これ以上恥ずかしい思いをするのはごめんだった。
 とりあえず中に、とライが言ったので、言われるままに会議室へ入る。
 寝静まっている他の者たちに悟られていまいかと周囲を2、3度ほど確認し、
 扉を閉める際も音を立てないよう気を遣いながら閉めた。
「よぉ、遅かったじゃねえか」
「あれ…」
 部屋に入り、全体を見回す。
 自分とライ以外にいたのは、獣牙戦士のレテとモゥディ。
 それに今声をかけたファルシと、さっきまで仮眠をとっていたであろうメイビスだった。
「これで全員?」
「ああ、あまり大人数でも目立つからな」
 ジェム団の人員は、現時点で7人(たまに自分やルミナも手伝っているが、正式な団員ではない)。
 その全員と自分、それにここにいる獣牙戦士を合わせれば合計11人。
 今回の任務はできるだけ外部に漏らしたくない類であるため、11人だと中途半端に多い。
 なので、ここに集まった6人ほどの人数が妥当なのだろう。
 掛けるようにと言われたので、空いていたファルシとモゥディの間の椅子に腰掛ける。
「兄貴…傷は大丈夫なのかよ」
「聞くまでもねえだろ。こんな掠り傷で留守番なんかしてたまっかよ」
「いや、掠り傷って…」
 あの手合わせから、まだ一日しか経っていない。
 態度も表情も痛がっているようには見えないが、少なからず耐えているに違いない。
 それは2つ隣に座っているメイビスの呆れかえった表情から見て取れた。
「本当だったらまだ休んでないといけないのに、この話が出た途端真っ先に名乗り出たのよ。
 少しは体を労わってやれっての」
「そう言うてめえだって続けざまに手ぇ挙げたじゃねえか」
「ばっ…!! あんたら兄弟を放っておいたらタダじゃ済まないからでしょ!
 面倒見るあたしの身にもなりなさいよ!」
「俺も兄貴も面倒見てくれなんて言ってねえぞ」
「う……うるさい! もう!!」
 図星であろうことを指摘され、メイビスは顔を赤らめて大袈裟に否定している。
 無駄に大きい声を聞きながら、いつも通りだなとロキオは思った。
 このやり取りに呆れる自分も含めて。
「羨ましいゾ、ロキオ」
「本気で言ってんのか? こいつらに付き合ってたら疲れるじゃ済まねえぞ…」
「なんか言った!?」
「なんでもございません」
 微笑ましく見ているモゥディの隣でレテがわざとらしく溜め息をついたのを見たので、
 いい加減やめようかという思念を込めて返事を返すが、どうやら伝わったようだ。
 これ以上大騒ぎしたら、この場にいない者たちの安眠を妨げるかもしれないので、一安心する。
 完全に静まったところでライが軽く咳払いをし、一同がそちらへ向き直る。
「それじゃあ、これより作戦会議を始める。
 ここから先はオレが隊長として話を進めるので、そのつもりでいてくれ」
「了解」
 5人分の了承の意が揃ったのを確認すると、ライはクリミア王国の詳細地図を机に開いた。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
獣牙族3人と共についに行動開始です。
ここから先は本格的に戦闘が始まると同時に、ロキオの謎の力の詳細も明らかになっていきます。

Re: 蒼炎・暁の短編小説?138
投稿者
投稿日時 2012/05/05(Sat) 19:21:05

返信・感想です
ついでに、説明が雑だったので、自分の小説のキャラ&用語を書いときます。

つみれ草様
遅くなって申し訳ありません(汗)
レッツ見ました
実践出来ていなかったところもあったので直したいと思います
本当に助かりました
ありがとうございます

リリカル様
王都を取り戻すことができたのに、玉座に触れることができないエリンシア
今まで苦しい思いをしてきたから、たくさんの苦労を乗り越えてきたから、夢だと思ってしまうのでしょうね
確かに暁では見事にフラグがへし折られていましたからね…
わたしはアイクとエリンシアのカップリング好きですよー

絶対氷壁様
お久しぶりです
・なるほど!杖殴りはそうしてやってるんですね!
道理で非力な神官でもダメージ与えられるわけですか(違
お兄ちゃんは強し!と、思いきや、やっぱり魔防では妹に叶いません(笑)
・ありがとうございます!
これからもがんばっていきたいと思います!


「愛すべきもの」「少女よ、剣を捧げよ」人物&用語集

人物
アルナ
「愛すべきもの」に登場。また、「少女よ、剣を捧げよ」の主人公。現在12歳。青い髪と茶色の瞳を持つ。蒼炎の勇者アイクと銀の戦士エリカの娘。剣と光魔法の使い手。アイクたちが死の砂漠を渡った後にあちら側の大陸で産まれた。ベオクと思われがちだが、ベオクと砂漠の民との混血である。父の死後、ラグネルを受け継ぎ、テリウスへ帰還する。その後、テリウス連合軍総司令官に任命され、現在に至る。クラスは魔道戦士→戦者。属性は天。HP、力、防御は低いが、技、魔力、魔防は高い。また、速さも剣士並み。スキルは「癒し」。

エリカ
「愛すべきもの」に登場。砂漠の民。茶色の髪と瞳を持つ。死の砂漠で名高い戦士として恐れられ、また、敬われていた。通称「銀の戦士」。アイクと出会い、住んでいた集落を捨て、死の砂漠を渡った。その後、アルナを産むが、ベオクと砂漠の民との混血だったため、亡くなる。クラスは戦将。属性は光。HP、防御、幸運は低めだが、技、魔力そして、力が他の女性ユニットよりも高い。速さも剣士並み。スキルは「身代わり」。

ガレ
「少女よ、剣を捧げよ」に登場。現在12歳。緑色の髪と瞳を持つ。ボーレとミストの息子。斧と剣の使い手。気弱だが、父を亡くし、他人に心を開かなかったアルナを元気付ける心優しい一面もある。クラスは少年剣士。属性は地。魔防と若干防御が低いが、力、技、速さが高い。スキルは「弱気」。

ミエル
「少女よ、剣を捧げよ」に登場。現在10歳。茶色の髪と緑色の瞳を持つ。ボーレとミストの娘で、ガレの妹。剣と杖の使い手。勝ち気で、無用な心配をする兄をからかっている。クラスは杖少女。属性は炎。杖使い系のユニットのため、ミストのように力や防御などがなく、魔力も魔道士には敵わない。しかし、魔防や幸運は高い。スキルは「勝ち気」。

イェーフネン
「愛すべきもの」また「少女よ、剣を捧げよ」に登場。砂漠の民。茶色の髪と群青色の瞳を持つ。エリカの弟で、アルナの叔父にあたる。姉エリカに憧れ、剣士になった。クラスは剣聖。属性は雷。防御、魔防は低いが、力と幸運は高い。スキルは「エリート」と「怒り」。

グレイ
「少女よ、剣を捧げよ」に登場。砂漠の民の一集落の長。黒い髪と群青色の瞳を持つ。エリカとイェーフネンの兄で、アルナの伯父にあたる。本来、長になる予定ではなかったが、エリカが辞退したため、長となる。クラスは剣聖。属性は風。幸運は低いが、並みの剣士よりも魔防は高い。スキルは「エリート」と「俊足」。


用語
フェニックス
刀身は銀、柄は赤の細身の剣。二回攻撃が可能で、速さが+5される。もともとは銀の戦士エリカの剣だったが、彼女の死後、娘のアルナが受け継いだ。威力は16。命中は100。重量は5。

ハラーティス
アルナ専用の光の魔道書。六つの光の玉が敵の回りを渦巻き、光線を放つ。一転集中型の攻撃であるため、非常に強力ではあるが、熟練された魔道士でなければ当たりにくい。威力は11。命中は75。重量は10。

ハロラード
刀身から柄まで黒い剣。装備すると、魔防が+5される。グレイの固定武器。砂漠の民に伝わる剣。威力は18。命中は70。重量は15。

癒し
アルナの固定スキル。3ターンに一度発動する。周りの味方のHPと状態異常を回復する。

身代わり
エリカの固定スキル。支援を結んでいなくても、HP が10%以下であれば、周りの味方の攻撃を代わりに受ける。

弱気
ガレの固定スキル。HPが10%以下のとき、自分の防御と魔防を+ 5する。

勝ち気
ミエルの固定スキル。HPが10%以下のとき、自分の力と魔力を+5する。

魔道戦士
アルナの下級職。武術と魔術の両方を使いこなす戦士。剣と光魔法を使うことができる。

戦者
アルナの上級職。戦場で守り、戦う者。剣と光魔法に加え、杖を使うことができる。

戦将
エリカの最上級職。戦場で戦士たちの前に立つ将。剣と光魔法、杖を使うことができる。

少年剣士
ガレの下級職。武器を握り、戦場に立つ少年。剣と斧を使うことができる。

杖少女
杖使い系の下級職。杖を持ち、仲間をサポートする少女。剣と杖を使うことができる。

砂漠の民
死の砂漠に住む。ベオクに近い姿をしており、その性質もベオクとほぼ同じだが、別の種族である。彼らがどうやって生まれでたのかは現在のところ不明。ベオクと砂漠の民との混血が生まれると、女性が亡くなる事がわかった。

Re: 蒼炎・暁の短編小説?138
投稿者
投稿日時 2012/06/08(Fri) 12:35:27

今更ながら「ファイアーエムブレム 覚醒」が発売されましたね!!
ほしいのですが、3DS持ってないし、やってる暇ないしで買えずじまいです(泣)

「少女よ、剣を捧げよ」(約20年後未来構造)

~あらすじ~
アルナは敵を倒すことに苦しみを覚えてしまった。苦悩するアルナにセネリオは彼女の母エリカの話を聞かせる。彼女にとっての守るべきものはいったい何なのか。

~オリキャラ紹介~
アルナ
クラスは戦者。12歳の若さでテリウス連合軍総司令官に任命される。しかし、敵を倒すことに戸惑いを覚えている。専用武器として剣のラグネル、フェニックス、光の魔道書のハラーティスを持つ。

エリカ
クラスは戦将。アルナの母の砂漠の戦士。アイクと死の砂漠を渡るが、アルナを産んで亡くなる。フェニックスは元々彼女のものだった。

!注意!
戦闘描写があります。
苦手な方は避けてください。

~我こそ勇者の子~
次の日、アルナは各国の国王たちと軍議を行っていた。
そこへ、一人の兵士が慌てて入ってきた。
「敵が攻めてきました!敵将もいるようです!」
かく!今すぐ戦いの準備をします!あなたは全軍に伝令を!」
「はっ!」
慌ただしく準備をし、戦場へ向かうと、そこには敵軍がずらりと並んでいた。
どうやら、全軍が出撃しているらしい。
軍の中から槍を持ち、馬に乗った男が出てきた。
カ「我こそはカルス!!この軍の将だ!なぜ女神を倒した!なぜ半獣などと和解した!そのようなことをしたアイクは憎むべき対象だ!愚か者たちよ、我が軍の前に散れ!」
それを合図に両軍は戦い始めた。
アルナはカルスに向かって走っていく。が、その前には数多くの敵がいた。
セ「アルナ!どいてください!」
後ろから声がして、アルナは横に逸れた。
セ「レクスカリバー!!」
敵があっという間に一掃される。
ア「ありがとう!セネリオ!」
セ「いいから急いでください!」
アルナは走っていった。
目の前にカルスがいる。
アルナはラグネルを抜いた。父が死んでから一度も抜いていない剣だ。
ア「たぁ!」
カルスも気づいたらしく、アルナの攻撃を避けると槍で突いてきた。
咄嗟にラグネルで攻撃を防ぐ。
カ「その剣は…。」
ア「父の形見だ。」
アルナはカルスを睨み付けた。
ア「私は蒼炎の勇者アイクと銀の戦士エリカの娘アルナ。テリウス連合軍の総司令官だ。」
カ「ほう、あの愚か者の娘か。」
ア「それ以上父を侮辱するな!」
アルナは叫んだ。
ア「このテリウスの平和を…父が築き上げてきたものを崩す奴は私が許さない!!」
アルナはラグネルの切っ先をカルスに向けた。
アルナは決めていた。自分はテリウスの平和と父が守り、築き上げてきたものを守るために戦うのだ。

またオリキャラが増えてしまいました…(汗
紹介しますね

カルス
クラス 白銀騎将
武器 槍SS 弓B
スキル 再移動
奥義スキル 太陽
ラグズとベオクが和平したこと、女神を倒したことは間違いだと説く者。そのため、アイクの行ったことは徹底的に否定している。軍の将としてアルナと対峙する。

オリキャラが増えた理由としてはまず、敵将は騎兵であること、そして、使う武器は主に槍であること、と考えたからです。というのも騎兵は移動力があり、さらに、槍は三すくみで剣に有利。アルナにとっては不利な条件が数多くあげられます。
今回の敵将は成長途中のアルナにとっては壁であるべき、と考えた私はこの条件に合い、かつ将として大軍を率いれるようか敵を暁、蒼炎キャラから探しました。が、見つからなかったのでオリキャラ、カルスを作りました。
以後、たて変わるキャラをなるべく出したいと思います。

Re: 蒼炎・暁の短編小説?138
投稿者
投稿日時 2012/06/08(Fri) 12:43:04
修正日時 2012/06/08(Fri) 22:31:16

この記事は削除されました。

bfgqSxBqRO
投稿者
投稿日時 2012/07/25(Wed) 04:03:13

Y111j4 <a href="http://bnigkijmlbub.com/">bnigkijmlbub</a>, [url=http://frriiznqznje.com/]frriiznqznje[/url], [link=http://xrrsbyntedtk.com/]xrrsbyntedtk[/link], http://feawgtxpqzul.com/

Re: 蒼炎・暁の短編小説?138
投稿者
投稿日時 2012/07/31(Tue) 07:49:28

確認です
ここのレス、最近止まっていますけど
何かあったんですか?

Re: 蒼炎・暁の短編小説?138
投稿者
投稿日時 2012/08/05(Sun) 17:47:26

???様
>何かあったんですか?
覚醒の発売がありました。
なので皆覚醒にハマっているのだと思います。
でも覚醒のプレイが落ち着いたらその内書き込み再開しますので、ご心配なく。

Re: 蒼炎・暁の短編小説?138
投稿者
投稿日時 2012/08/12(Sun) 19:23:05

前回いつ来たのか覚えてないくらいお久しぶりです。
ホントに最近過疎ってますね、ココ。やっぱり新しいモノに流れちゃうのか~。
とりあえず、生存報告おわり哉。

以下爆弾ナリです。
注意書きは…キャラの口調が変かもです。
もうずっとゲーム離れしてるので…
あ、あとほとんど会話文です。

なりたい職業 ~チェンジプルフがあったなら~
暁キャラクターズ

『もし違う職業になれるなら、何になりたいですか?』

「なりたい職業かぁ…別に今のままでいいよな?」
 こういう類の話にあまり興味ないエディ。
「そうだが…そんなこと言ったらこの話が意味無しになるだろ」
「要するになんか言えっていう脅し」
 裏を返せばそういうことになる。
「じゃあわたしがいきま~すっ!」
 なかなかいかない3人にローラがイラついたようで。
「マジかローラ!」
「マジです!」
 戦闘じゃいつも後衛のローラが先陣をきるとは珍しい。あと『マジ』っていうのも。
「わたしがなりたいのは『剣士』!」
「やった!オレと同じじゃん」
「そこって喜ぶところ?」
 同じ類の者が増えるとスタメン戦争激化することをエディは知らない…。
「理由を聞かせてもらおうか」
 ※言葉遣いこんなの(脅し口調)だけどノイスは優しいおっちゃんだからなbyエディ
「たまには前衛でみんなの役にたちたいから!」
 確かに技&速さの成長率素晴らしい。でもきっと覚醒のオリヴィエみたいになる…。
 (技&速さだけすごくて残りのパラは……的な)
「ダメだ!(いろんなイミで)危なすぎるからやめてくれ!」
 どうやらブラッドの脳内には剣士姿のローラがいるようです。
「そうですか~?言ってみただけなのに…」
 しゅんと俯くローラ。みんなのトゲ付き視線がブラッドに刺さる。
「え…えと……とりあえずごめんん!!」
「え?なんで謝っているのブラッド?」
 アレ…?と全員。
「なんでって……ローラ泣いてるんじゃなかったのか?」
「泣くって…え?」
 顔を上げたローラの目に涙の跡はない。
「いやあのさっきの俯きは…?」
「ワザとですよ☆」
 うわぁ今日のローラなんかおかしいと皆思った。
「で、ブラッドはなにがいいんですか?」
「いきなりだな……じゃあ俺は…」
 言いかけた瞬間、天井を突き破って何かが降ってきた。
「はい時間切れ~!」
 いきなりサザっていう空気読めないプレイヤーの嫌われ者が登場。
「なんか書いてるヤツが『もう今書くのしんどい』ってほざいてウゼェから強制終了のお知らせ」
「オレまだ言ってないのに!」
「まだ1人しか終わってねぇぞ~」
「てかほとんどブラロラだったような…」
「俺言いかけたんだから言わせろよ!」
「でも言う直前で切るのは定番ですよ~」
「ソレ何の定番!?」
「『書いてる者』のです」
「というわけで、ハイ強制終了♪」

画面暗転

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ブラッドが「だめだ!」っていった辺りから超話それました。
いつもこんなんです。もっと能力上げないと…。
他の方の小説はなぜ会話文が少なくて説明文的なのが多いのでしょう…

終わりかたアレですが、一応続く予定…です。
ただ、次いつ出現するかは不明。
それではっ!

Re: 蒼炎・暁の短編小説?138
投稿者
投稿日時 2012/08/21(Tue) 20:44:48

久々にSS投稿します〜。
カップリングはゼルギウス×サナキで、暁ED後の話です。

『ブルームーンの奇跡』(ゼルギウス×サナキ短編)

極めて稀なこと、決してあり得ないことをブルームーンと呼ぶと聞いた時、
わたしはふとゼルギウスのことを思い出した。

ゼルギウスは、あまり笑わない男だった。
時々笑う顔を見せてくれたこともあったけど、その笑顔はどこか寂しげで、
これはゼルギウスの本当の笑顔ではないと、子供ながらに思っていた。

「のう、ゼルギウス。お主はどうしたら笑ってくれるのじゃ?」
「そうですね……私の望みが叶った時。
その時は私も、サナキ様のように笑えるかもしれません」

ゼルギウスの望みが叶う時。
その時が来たら、ゼルギウスは笑ってくれるのか。
それを知ったわたしは、早くゼルギウスの望みが叶う日が来ることを願った。
けれどゼルギウスの望みは、わたしにとってとても残酷な望みだった。

己の剣の高みを目指し、師の剣を受け継いだアイクと、一対一で戦うこと。
それがゼルギウスの望みだった。

その望みが叶った時、ゼルギウスは確かに笑っていた。
気力と戦意に満ち溢れた、剣士らしい笑顔で。
わたしはゼルギウスの笑顔が見たかった。
だからゼルギウスの望みが叶う日が来る事を願っていたのに……。

「こんな……こんな望みはないであろう……!!」

アイクの剣に斃れるゼルギウスの姿を見て、わたしは泣いた……。


ゼルギウスは真に、青い月のような男だった。
人を惹き付ける不思議な光を放っていたくせに、どこか冷たくて常に孤高を保っている。
けれどわたしは、ゼルギウスのことが好きだった。
極めて稀なこと、決してあり得ないことが起こってしまう。
そんなブルームーンの奇跡を、信じてしまいたくなるほど。
そして奇跡は……

「サナキ様。こんなところに居られましたか」
「ゼルギウス!」

奇跡の光は、ゼルギウスの下に訪れてくれていた。
「少し月を見ておったのじゃ。
ほれ、お主もこっちへ来てみよ。
今宵の月は美しいぞ」
「月ですか?」
わたしが手招きすると、ゼルギウスは夜空を見上げながらこちらの方へやって来た。
あの運命の日。ゼルギウスはアイクの一撃で重傷を負うも、一命を取り留めることが出来た。
それ以来ゼルギウスは、贖罪の為に生きている。
そんなゼルギウスを見ていると、ゼルギウスはあの場で命を
終わらせるべきだったのではないかという考えも浮かんでしまうけど、

「本当……美しい月ですね」

寂しげだけれど、以前と違いどこか暖かさを感じさせるゼルギウスの
微笑みを見ていると。やっぱりゼルギウスが生きていてくれて良かったと思うのだ。

奇跡が起きた後も、ゼルギウスはあまり笑顔を見せない男ままだった。
けれどわたしは、ブルームーンの奇跡をもう一度この手で起こすつもりでいる。
ゼルギウスの本当の笑顔を、わたしは見てみたいから……。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
作中にも書いたのですが、滅多に目にかかれないもののことをブルームーンというそうです。
今月中に二回満月が見れることも、滅多に訪れないことなのでブルームーンと言うようですよ。

Re: 蒼炎・暁の短編小説?138
投稿者
投稿日時 2012/08/26(Sun) 08:30:05

はじめまして黒騎士といいます

このスレの作品は全てではありませんがかなりの作品を読んでいます
最近元気がないようで少し寂しく思ったので参加して勢いをつけてみたいと思います

Re: 蒼炎・暁の短編小説?138
投稿者
投稿日時 2012/08/26(Sun) 09:48:11

この話は蒼炎の軌跡と暁の女神の章別会話と拠点会話等の話から自分なりに推測して思い付いた話です

無茶苦茶すぎないか?その設定と思うかもしれませんが我慢してください




「ラグネルとエタルドとグレイルの剣術」

ベグニオン暦652年6月1日
カツカツと靴音をたてながら一人の男がデイン城の廊下を歩いている。そして、謁見の間のドアをノックした。

「どうぞ」青年とおぼしき男の声がノックに応え、ドアを開いた

「突然の訪問申し訳ありません。ペレアス王」と言って男は開いたドアから室内に入った

「いえ、お気になさらないでください、セフェラン殿」と言って穏やかな笑みを見せた。
「セフェラン様、今日はどうなさったのですか?一週間前に突然『一週間後デインに私用で訪ねたいのですが大丈夫ですか?詳しい事情は訪ねた時に直接説明します』と書かれた手紙を受け取ったときはどうしたのだろうかと思いました」

部屋の中にペレアスと同じくサザとセフェランの訪問を待っていたミカヤが行った。
「そうですね、まずは私の今回の目的地はキルシュ家の屋敷です。」

「キルシュ家?今のデインにそんな貴族いたか?」とサザが疑問符を浮かべた表情で言った。

「はい、今はとり潰しにあっているので隣接地域であるマラド領の領地の一部になっています。もっとも、血筋は絶えていませんが…あなた方も知る人物の中にキルシュ家の子孫が何人かいますよ。」

「誰だ、それは?」というサザの問いに答える代わりにミカヤの方を指差し

「ミカヤ・キルシュ・オルティナ、彼女の本名を忘れていませんでしたか?もちろん、我がベグニオンの皇帝であるサナキ様もキルシュ家の子孫の一人です。」とセヘェランは穏やかな声で言ったのにサザとペレアスは驚きを隠せないでいる。

「まさか、キルシュ家の屋敷ってミカヤの実家なのか!?」とサザは驚きを隠せない

「でもなぜ今、ミカヤの実家を訪ねようと思ったのです?」
とペレアスが釈然としない様子で訊いた。

「いえ、私はもうお二人のキルシュの子孫の方々のための用で、訪ねようと思っています。」

「もう二人ですか?」というミカヤの問いに、

「はい、女神ユンヌをメダリオンに封印した当時の次の当主候補は二人いました。一人目は後に私の妻になるオルティナ、そしてもう一人は、オルティナの双子の妹エリーナ。二人とも、大陸最強の剣術の大家キルシュ家始まって以来の才能と実力を持った姉妹でした。オルティナ、ソーン、デギンハンザー…第一回目の二人の女神たちの戦いの際に最も活躍した三人の英雄。もし、途中で利き腕に怪我を負い、前線から後退することがなければ間違いなく三人と同じように名を連ねていたことでしょう。」

「三雄オルティナは、あなたと共にベグニオン王国を建国し初代女王になったわけですから、当然キルシュ家の当主は、エリーナというかたがなられたのですね?」と言うミカヤの問いにセフェランは無言でうなずいた


Re: 蒼炎・暁の短編小説?138
投稿者
投稿日時 2012/08/26(Sun) 20:49:32

続きを

ジャンル…過去推測?
「ラグネルとエタルドとグレイルの剣術」2

「それで、もう二人のキルシュ家の子孫って誰と誰なんだ?」
話を早く進めてほしいサザは先を話すように言った。
「はい、オルティナの妹エリーナは女神ユンヌの勢力との戦後、一人の幼なじみの青年と結ばれることになりました。その青年は戦斧ウルヴァンの最初の使用者であり、ベオク、ラグズ共に合わせてもエリーナの進軍速度についてこられる数少ない人物の一人でした。そして、その青年の名はグレイルといいました。そしてキルシュ家はこの後、数多くの剣の達人を輩出し、最後の当主ガウェインが他国に亡命するまで長い間繁栄しました。」

「最後の当主がガウェインってことはまさか!?」
ガウェインと言う名を聞きサザは一人の男の顔が浮かんだ。

サザのたてた予想を肯定するようにセフェランはうなずき、

「そうです、もう二人のキルシュの子孫はグレイル庸兵団団長アイク君とその妹ミストさんのことです。」
その言葉にその場にいた三人は驚きを隠せなかった。しばらく沈黙が流れ、
「確かに、アイクさんは完全実力主義者アシュナード王が即位するより前から四駿の一人だったガウェイン将軍の子息だから、元々の家柄は相当な身分だったんだろうなと思ってはいましけど、まさか、三雄オルティナの一族の関係者だったなんて…」とミカヤが驚きを口にした

「とりあえず、団長の出自はわかったけど、それと、あんたの今回の訪問はなんの関係があるんだ?」
まだ、驚きながらもサザは先を促した。

「今回の訪問は、アイク君にキルシュ家に残った数少ない財産をお渡しするために、財産を管理するものであり、その人物が、キルシュの遺産を継承する資格を有するものかを審判する者に会い、できればアイク君に直接あってくれるよう説得しに参りました。」

「財産って言っても、団長だったら興味ないって言わないか?」

「いいえ、間違いなく彼は欲しがると思いますよ。キルシュ家の遺産は、大陸最強の剣術の大家キルシュ家らしく、全て剣にまつわるものですから。」

「剣にまつわるもの?」
しばらく黙って話を聞いていたペレアスが疑問を口にした。

「はい、キルシュ家が代々継承する遺産のうち、一つは、ラグネル、エタルド、ウルヴァン、バルフレチェ、ゼーンズフトの素材になっている希少な金属の塊。この金属の塊を手に入れる方法は、キルシュ家の当主本人、もしくは、審判者とそのときの当主に、人格、実力ともに認められるかしかありません。そしてもう二つは、キルシュ家の剣術の最後の奥義、男性継承者用の光天と、女性継承者用の彗星、流星群を習得するために必要な書物です。歴代キルシュ家の剣士は、この、3つの奥義の中の一つを完璧に習得してはじめて一人前と認められます。事実、オルティナと、エリーナも、オルティナは彗星、エリーナは流星群をそれぞれ得意技にしていました。もちろん、神騎将と言われたガウェイン殿も光天の使い手でした。」

ページ : 先頭 ◄◄ ひとつ前1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14ひとつ次 ►► 末尾

このトピックに記事を投稿する

名前 *
題名 *
本文 *
パスワード *

* 印は必須項目です。